FIA ジュニア世界ラリー選手権 第8戦 ラリー・スペイン
JWRC最終戦ラリー・スペイン
ベルトロッティ選手、自己最高の2位入賞で表彰台を飾る
2009年JWRCの最終戦となるラリースペインは、昨年同様Salouを拠点として10月1〜3日に掛けて開催された。スズキ勢は、スズキ・スポーツ・ヨーロッパがサポートするアーロン・ブルカルト選手とシモーネ・ベルトロッティ選手が参戦。ミハエル・コシュツシュコ選手はラリー・フィンランドにて全エントリーイベントを終えているため、JWRCドライバーズスタンディングの行方は、本イベントのリザルト次第。シリーズタイトルはマーティン・プロコップ選手が前戦フィンランドで決めており、ブルカルト選手が本イベントで2位以上に入れば、42ポイントのコシュツシュコ選手を抜くことになる。もう一人のスズキドライバー、ヨアン・ボナート選手は健康上の理由により、やむなく参戦を見合わせている。

青空の下始まったデイ1、ブルカルト選手はチャンピオンタイトルこそ逃してしまったものの、今年初戦のターマックイベント、アイルランド戦では優勝を飾っており、今回のスペインでも優勝目指してスタートした。しかし、SS1の高速コーナーで濡れた路面に乗ってしまい160kmからスピン、コースオフしてしまう。前夜に山間部で局地的に雨が降り、コースの一部が濡れていたのだ。幸いサービスに戻って来ることはできたが、クルマのダメージは見た目以上に大きく、その後はクルマをいたわりながらの走行を強いられることとなった。ターマックを得意とするベルトロッティ選手は手堅く慎重にステージタイムを刻んでいく。
この日トップに立ったのは、プロコップ選手。12秒差でウェイシュ選手(シトロエン)が続いた。3位にはワイルドカード参戦の、地元マルティ選手(ルノー)。ブルカルト選手は4位、ベルトロッティ選手が5位で続いた。
デイ2、ベルトロッティ選手は着実にタイムを刻み、SS10には3位に浮上。一方、ブルカルト選手は、SS8でサスペンションが壊れてしまうという事態に見舞われてしまった。前日のサービスでチームは時間内に出来る限りの修理を行ったが、クルマの負ったダメージは予想以上に大きかったのだ。また、この日の最終ステージSS11では、首位を走っていたプロコップ選手がクラッシュ。そのままリタイアとなった。
最終日のデイ3は様々なキャラクターが組合わさった非常に難しいステージ構成。ベルトロッティ選手は自己最高の2位獲得に向けてマルティ選手を猛烈にプッシュしプレッシャーを掛け続けた。そして、ついにSS17でマルティ選手を抜き、2位の座を奪取。そのまま逃げ切り自己最高の2位で表彰台を飾った。リスタートのサービスで万全にクルマの修理を終えたブルカルト選手は本来の力を発揮し、SS13、SS16、SS17でファステストタイムを叩き出し、来シーズンに向けて良い感触を得た。ラリーは、ウェイシュ選手が首位を守りフィニッシュした。
今シーズンはスズキドライバーにとってチャレンジングな年であったが、ブルカルト選手、コシュツシュコ選手、ベルトロッティ選手という若く才能ある選手達と共に実りのある一年を過ごせた。JWRC2009チャンピオンシップは、コシュツシュコ選手が2位、ブルカルト選手が3位、ベルトロッティ選手は6位でシーズンの幕を閉じた。
アーロン・ブルカルト選手のコメント
「チャンピオンシップで2位になれなかったのは残念。今回は始めにプッシュし過ぎてスピンしてしまった。クルマを壊すことなくサービスに戻って来られたのはラッキーだったけれども、このスピンが原因でクルマにダメージを与えてしまい、2日目にはストップしなければならなかったんだ。でも、”スズキボーイ”として一年間シーズンを戦えたことはとても嬉しく思っているよ。」
シモーネ・ベルトロッティ選手のコメント
「年の始めと終わりで良い結果が出せてとても嬉しい。好きなターマックイベントで2回も表彰台に上がれたからね。グラベルでは多くのことを学ばなくてはならなかった。来年はもっとトップドライバー達に近いタイムを出せるようにしないと。でも、このイベントでは前よりだいぶトップドライバーとの差を詰められたと思うよ。」
ミハエル・コシュツシュコ選手のコメント
「シモーネには彼自身初の2位入賞に心からおめでとうと言いたい。彼が頑張っていたのを見ているから嬉しいよ。アーロンのスピンは本当にアンラッキーだったと思う。今年、彼らと一緒にスズキで戦えたことはとてもいい経験だった。チームのみんなにも感謝しているよ。」
スズキ・スポーツ・ヨーロッパ、チームマネージャー石井康弘のコメント
「ブルカルト選手とコシュツシュコ選手という、プロコップ選手以上の素質を持ったドライバー達と一緒に一年戦いながらも、チャンピオンタイトルを取れなかったのは非常に残念です。ただ、彼らはまだまだ若いですし、今年大きく成長を見せてくれたので今後に期待しています。また、今年は勉強の年として挑んだベルトロッティ選手にとって、グラベルラリーは我慢のラリーが続いたことと思います。しかし、最後に得意のターマックで自己最高の2位に入賞できたことは非常に嬉しく思います。彼の才能は非常に高いものがあるので、来シーズンの活躍も楽しみにしています。」