FIA ジュニア世界ラリー選手権 第7戦 ラリー・フィンランド
全スズキジュニアドライバーが集結したラリー・フィンランド
コシュツシュコ選手3位入賞で今シーズンを終える
フィンランドのユバスキラにヘッドクォーターを設け、7月30日から8月2日に行われたラリー・フィンランド。クレストが連続するハイスピードなステージによって、シーズンの中でも最もチャレンジングなラリーとして名高いこのイベントに、全JWRCエントラントが集結。スズキスポーツ・ヨーロッパがサポートを行う、ミハエル・コシュツシュコ、アーロン・ブルカルト、シモーネ・ベルトロッティ、3組のクルーも勢揃いした。

シリーズランキング首位の36ポイントを持って臨むコシュツシュコ選手にとっては、今大会が2009年シーズン最後のイベントとなる。JWRCでは、全8戦中6戦を選択して参戦するシステムとなっており、初戦のアイルランドと最終戦カタルニアをスキップするためだ。一方、コシュツシュコ選手と同ポイントで首位に並ぶプロコップ選手(シトロエン)は最終戦にも出場することから、コシュツシュコ選手がJWRCチャンピオンタイトルを獲得するためには、ここフィンランドでプロコップ選手に勝つことが必要となる。そして、もう一人のチャンピオン候補、ブルカルト選手もまた同様にフィンランドとカタルニアでプロコップ選手よりも上位で終えることが必須条件だ。
デイ1、序盤コシュツシュコ選手は3位につけ虎視眈々と上位を狙う。1位はプロコップ選手、2位はワイルドカード枠で出場する地元ドライバー、ピノマキ選手(ルノー)だ。コシュツシュコ選手は、アタックを開始し本来のスピードを見せ始めるも、不運なことにSS7とSS8でパンクに見舞われ6位に後退してしまう。この間にもう一人のスズキドライバー、ボナート選手が3位に、順調にペースを保って走行していたブルカルト選手がボナート選手から22.5秒差で4位に浮上した。続くSS9では、石にヒットしてしまいタイムを落としたボナート選手と入れ替わりにブルカルト選手が3位へと浮上。コシュツシュコ選手はひとつ順位を上げ5位となった。また、ラリー・ポーランドからグラベルのドライビングを変えるべく様々なことにトライし、手ごたえを得ていたベルトロッティ選手だが、SS8で痛恨のスピンを喫し90秒ロス。8位でこの日を終えた。
続くデイ2は、スペシャルステージが9つも組まれた非常にタフな1日であった。特にリピートステージではコースが荒れており、前日パンクに苦しめられたコシュツシュコ選手は、あまりリスクを冒さない作戦を取りつつも3位まで順位を挽回。一方、2位争いを繰り広げていたブルカルト選手は、パンクやダンパー破損によって順位を4位まで落としてしまった。また、ベルトロッティ選手には、最終ステージで岩にヒットしドライブシャフトを折ってしまうという不運が襲う。しかし、なんとかサービスパークまで戻ることができ、ラリーを続行することができた。なお、デイ1で4位に付けていたボナート選手だがSS11でコースオフしラリーを終えてしまった。結果、この日は上位の2人に変動はなく、3位にコシュツシュコ選手、その36秒後に4位ブルカルト選手、ベルトロッティ選手は6位で最終日を迎えることとなった。
残すところ4ステージという最終日のデイ3であったが、SS22がキャンセルされ、走行距離が短縮された事もあって、デイ2のリードを保ったままプロコップ選手がそのままフィニッシュ。コシュツシュコ選手は3位に入賞した。続いてブルカルト選手が4位、ベルトロッティ選手は6位でフィニッシュした。度重なるパンク等、今回のラリー・フィンランドは、スズキドライバー達にとってアンラッキーが重なったイベントとなってしまったが、スズキスポーツ・ヨーロッパがサポートする選手全員がポイントを獲得しフィニッシュしたことはチームとドライバーの底力を表す結果と言えるだろう。
僅差でタイトルを逃してしまったコシュツシュコ選手にとっては、非常に惜しい今年のJWRCドライバーズチャンピオンシップになってしまったが、2位または3位は確定している。今シーズン彼が魅せた素晴らしいパフォーマンスの数々は多くの人の記憶に刻まれているはずだ。ブルカルト選手とベルトロッティ選手は、両選手とも得意とするターマックラウンド、カタルニアでの1戦を残している。ブルカルト選手はカタルニアで8ポイント以上獲得すれば、チャンピオンシップでコシュツシュコ選手を抜き2位に入ることになる。
アーロン・ブルカルト選手のコメント
「去年より良いタイムも出せたし、とてもいいラリーができた。結果としてプロコップ選手にタイトルを取られてしまったのは残念だけれども、スイフトはとてもいい状態だったし、今は前よりも確実に自信を持ってドライブすることができる。パンクしてしまって4位で終わったのはアンラッキーだったが、次のカタルニアラリーは僕の得意とするターマックイベント。カタルニアでは絶対に優勝できるよう万全の準備をするつもりだ。」
ミハエル・コシュツシュコ選手のコメント
「クルマは何も問題なく完璧だった。もちろん、タイトルに向けたラリーをしたかったけれども、アンラッキーなことに金曜日にパンクを2度もしてしまい、この後はブルカルト選手に追いつこうとすることしかできなかった。今年を振り返ってみると、5回も表彰台に上がれたしいい年だったと思う。ただ、ポーランドでのたったひとつのミスでチャンピオンタイトルを逃してしまったのが残念だよ。」
シモーネ・ベルトロッティ選手のコメント
「ラリー・ポーランドから、グラベルでのドライビングスタイルを変える事を試しているんだ。最初のうちは大変だったけど、トップドライバーになるためには不可欠だからね。スイフトS1600には非常に満足しているし、チームからは多くの事を学べるので、このイベント中にも大きな進歩を遂げられたと思っている。僕にはもう1戦残っているし、カタルニアは好きなターマックだからいい結果を残せるよう頑張るよ。」
スズキ・スポーツ・ヨーロッパ、チームマネージャー石井康弘のコメント
「チャンピオンタイトルに手が届かなかったのは残念ですが、このラリーを通して若いスズキドライバー達が大きな成長を見せてくれた事を嬉しく思っています。ターマックでは開幕戦アイルランドラリーで優勝しておりますが、もちろんこれに奢ることなく万全の体制で挑みます。最終戦となるカタルニアに向けて総力を挙げて準備をするつもりです。」