FIA ジュニア世界ラリー選手権 第6戦 ラリー・ポーランド
コシュツシュコ選手、母国開催ラリー・ポーランドで接戦を繰り広げる
2009年6月25日〜28日、ポーランドの東北に位置するミコライキを拠点としてJWRC第6戦ラリー・ポーランドが開催された。スズキ・スポーツ・ヨーロッパチームからは、ミハエル・コシュツシュコ選手とシモーネ・ベルトロッティ選手の2名がSWIFT S1600で参戦した。ポーランド出身のコシュツシュコ選手にとって、このイベントは特別なものだ。今年のこれまでの好成績を受け、ポーランドのメディアを中心に注目されているコシュツシュコ選手は、本イベントからポーランドのオイル会社「PKN ORLEN」のスポンサーを新たに受けることとなり、車両のカラーリングも青を基調としたデザインに一新し挑んだ一戦となった。

デイ1、 2リッターエンジンを積むルノー・クリオ R3はハイスピードのステージとの相性が良く、これまでも時折速さを見せていたオランダのケビン・アブリング選手が好調な走りを見せた。コシュツシュコ選手は無理することなく順調な走りで2位をキープ。JWRCチャンピオンシップのことを考慮すると、コシュツシュコ選手にとってこのイベントで勝利しポイントを稼ぐことが必要なのは明白だが、何よりも重要なことはシトロエンのドライバー、マーティン・プロコップ選手よりも上位で終えることだ。コシュツシュコ選手は7.1秒差でプロコップ選手を3位に抑えてこの日を終了。高速グラベルの経験が少ないベルトロッティ選手にとって、本イベントは完走することが目的。ステージごとに走り方を学びながら経験を積んでいった。
続くデイ2、コシュツシュコ選手の目的は前日から引き続いて、プロコップ選手を押さえることだったが、この日のステージの特徴と天候の状況を踏まえて変更したセッティングが功を奏してアブリング選手をキャッチ、首位に立つ。
最終日となるデイ3、コシュツシュコ選手とアブリング選手の接戦は続いていたが、終盤のSS16でコシュツシュコ選手は、高速コーナーでその日の朝には隠れていた轍の下の岩にヒットしてコースオフ。ヒットしたときにフロントまわりに大きなダメージを受け、冷却水を失ってしまった。そのまま走行を続けたが、結果エンジンをオーバーヒートさせてしまい残念ながらコシュツシュコ選手のラリー・ポーランドはここで終わることとなってしまった。
コシュツシュコ選手は、事前に参加したJWRCの合同テスト中に右手を痛めてしまい、日ごとにひどくなる痛みに苦しめられていた。そのような状況下でコシュツシュコ選手が魅せてくれた走りは賞賛に値すると言っていいだろう。波に乗ったアブリング選手との接戦や、事前に降り続いた雨のせいでよく知っているポーランドのステージのコンディションがいつもと大きく違っていたこともコシュツシュコ選手には大きな負担だったはずだ。結果、コシュツシュコ選手のライバルであるプロコップ選手が2位に入り、スタンディングポイント計36ポイントとコシュツシュコ選手と並び、2人のドライバーが同点首位となった。ベルトロッティ選手は最後まで安定した走りを見せ5位に入り、4ポイントを獲得して終えた。
ミハエル・コシュツシュコ選手のコメント
「地元のラリーで結果を出せなくて、この残念な気持ちはとても言い表せないよ。クルマは完璧だっただけに、リタイアしてしまい申し訳ない。アブリング選手とはいいバトルができたと思っている。岩にヒットしてコースオフしてしまい、冷却水を失ってしまった。僕にとっては次のフィンランドが最後、プロコップ選手はまだ2戦残っているけどまだチャンピオンシップを諦めたわけじゃないよ。」
シモーネ・ベルトロッティ選手のコメント
「トラブルなく完走できたことに非常に満足している。ポーランドの高速ステージは素晴らしいね。イベントの間中、新しいドライビングスタイルを試すこともできた。次回のフィンランドでも、新しいドライビングスタイルを試せることを楽しみにしているよ。」
スズキ・スポーツ・ヨーロッパ、チームマネージャー石井康弘のコメント
「コシュツシュコ選手が地元のラリーで結果を出せなかったことは非常に残念でしたが、チャンピオンシップはまだ終わっていません。スズキ・スポーツ・ヨーロッパチームの2人、コシュツシュコ選手とブルカルト選手にはチャンピオンの可能性がまだあります。間近に控えたフィンランドのステージは、今回のポーランド同様2リッターエンジンを積むクリオR3との相性が非常にいいキャラクターですので、また接戦となるだろうと予想しています。それに向けてチームとして万全なテストを行いたいと思っています。」