FIA ジュニア世界ラリー選手権 第4戦 ラリー・アルゼンチン
スズキ・スイフト、ラリー・アルゼンチンで1-2フィニッシュ!
2009年のJWRCも第4戦目、折り返し地点となったラリー・アルゼンチン。本ラリーはアルゼンチン第2の都市コルドバを拠点に開催され、イベントを心待ちにしていた多くのラリーファンが集まった。JWRCには3人のドライバーがエントリー。スズキ・スポーツ・ヨーロッパがサポートするミハエル・コシュツシュコ、アーロン・ブルカルトと、ルノー・クリオS1600を駆るアレッサンドロ・ベッテガがヨーロッパから遥々南アメリカまでやってきたのだ。
ラリー・ポルトガルでの勝利により、コシュツシュコ選手はシトロエンを駆るマーティン・プロコップ選手と同ポイントとなり、スタンティングポイント首位に並び、ラリー・ポルトガルをスキップしたブルカルト選手はこの2人から僅か2ポイント差。プロコップ選手はラリー・アルゼンチンにJWRCではなく、PWRCにエントリー。スイフト S1600を駆る2人にとって、プロコップ選手が居ないこのラリー・アルゼンチンで勝利し、ポイントを獲得することはチャンピオンシップタイトル獲得にむけて非常に重要な意味を持つことになるのは言うまでもない。

グラベルで抜群の速さをみせるコシュツシュコ選手と、スズキ・スポーツ・ヨーロッパとの3日間のテストで大きな成長をみせたブルカルト選手は、各々良いコンディションでラリー初日を迎えた。コシュツシュコ選手とイタリア人ドライバーベッテガ選手がファステストステージタイムを五分に取り、ブルカルト選手もこの2人のタイムに迫る走りをみせた。好戦を繰り広げていたデイ1も終わりに差し掛かったとき、ラフなグラベルを果敢にプッシュし続けたためにブルカルト選手のステアリングアームが壊れてしまう。コシュツシュコ選手にも、奇しくもブルカルト選手と同じ場所で同じ事態に見舞われてしまった。この結果、ベッテガ選手がリードする形でデイ1を終えた。
続くデイ2、再出走したコシュツシュコ選手とブルカルト選手はデイ1での経験を基に、クルマをいたわりつつスピードを抑えながらもベッテガ選手との差を詰めるべく走行を続けた。徐々に差は縮まったものの、ベッテガ選手がデイ2もトップで終えるのかと思われた最終ステージSS18、ベッテガ選手にオルタネーターを壊したためにステージをスタートできないという不運が襲った。このような事態は3人の誰にも起こり得たこと。ベッテガ選手はアンラッキーだったとしか言いようがないだろう。
コシュツシュコ選手とブルカルト選手にとって、アルゼンチンのようなラフなグラベルステージはおそらく初めての経験だったかもしれない。このようなステージを制するには、“速さ”と“クルマをいたわる”というこの相反する2点のバランスをうまく取ることが最も重要になる。しかし、重要であるのと同時にとても難しい点でもあるのだ。高速でしかもラフなステージではミスを起こしやすく、あっけなくサスペンションを壊してしまう。WRCドライバーですらこのバランスをうまく取ることは難しいのだから、若いドライバーにとっていかに難しいかは想像に難くない。
デイ2はコシュツシュコ選手がトップ、続いてブルカルト選手が2位となった。最終日デイ3も2人はこのポジションを保ち、スズキ・スイフトドライバーが1-2フィニッシュを飾るという結果となった。コシュツシュコ選手は10ポイント、ブルカルト選手は8ポイントを獲得し、チャンピオンシップタイトル奪取に向けて大きなステップとなったのだった。
ミハエル・コシュツシュコ選手のコメント
「今年のカレンダーの中で最も難しいイベントで勝てたことにとても満足しているよ。チームが完璧にクルマを直してくれたので、ラリーを続けることができて、結果勝利できた。スイフトS1600はこのラフなステージにもよく耐えて全て上手くいったね。チームとメカニックの良い仕事ぶりのおかげだよ。ファステストステージタイムも半分近く取ることができたし10ポイント獲得はチャンピオンシップタイトルに向けて最高の結果だよ」
アーロン・ブルカルト選手のコメント
「結果として2位で終えられたことは良かったと思う。これでコシュツシュコ選手とのポイント差は4ポイントだからチャンピオンシップとしては面白くなると思う。このラリーのステージは今まで経験したことがない程、たくさんの石と轍があるラフなものだった。このステージを走るには、攻めつつも速く走り過ぎないようにしなければならず、同時にクルマをいたわることも考えなければならない。残念なことに、デイ1でステアリングアームを壊してしまったのは僕たちがプッシュし過ぎたからなんだ。」
スズキ・スポーツ・ヨーロッパ、マネージングダイレクター 石井康弘のコメント
「ラリー・アルゼンチンは、本当にドライバー達とスイフトS1600にとってタフなラリーでした。このような状況下で1位と2位で終えられたという結果は、チャンピオンシップタイトル奪回に向けて大きな意味を持ちます。次戦のサルディニアは、昨年コシュツシュコ選手が彼自身の初優勝を決めたイベントでもありますし、スイフトS1600にとってラッキーな場所でもあります。引き続き、良い結果が残せるよう万全を尽くして挑みます。」